加工方法変更によるVA・VEのポイント

ロストワックスによる一体構造化のポイント

Before

上図は、板状の部品にピンを差し込んで完成させる部品を表しています。この部品の製作では、ピンと板に穴を開けたものを別々に切削加工し、手作業で圧入をしてピンを差し込んでいました。ピンと穴の嵌め合い精度が求められる上に、手作業による組立作業が必要になるため、工数がかかる設計です。

After

コストダウン提案として、ロストワックスを使用する方法があります。精密鋳造ができるロストワックス法でピンと板を一体化させたものを成型し、それを切削加工することで部品を製作します。ピンと板がある部品を別々に切削加工し組み付ける方法と比較して、工程削減および手作業を減らすことができるためコストダウンとなります。特に数百個から数千個程度の数量の部品で採用すると効果的です。

組み付け部品のコストダウンの提案の1つとして、複数の部品をロストワックスによる一体構造化と切削加工を組み合わせる手法があります。ロストワックスは砂型鋳造と比較して精密であることや鋳巣が発生しにくい特徴があります。設計者は、ロストワックスによるコストダウン手法があることを知っておくことで、機械部品のVA・VE設計の検討の幅を広げることができます。