Before
機械加工部品では、軽量化のために開口の形状に設計することがありますが、上図では角がR2と指定されています。この場合、R2の特殊な小径工具を使用する必要があり、なおかつ深さ20の加工をするには多くの加工時間を要します。したがって、特殊工具の使用および工具増によるコストアップとなります。
After
開口の目的が単に軽量化のためだけであれば、R5の指示に変更することで大径工具で加工ができます。R5の大径工具であれば刃長もあるため、短時間で20の加工を済ませることができ、大幅に工数を削減できます。すなわち、角Rの変更のみでコストダウンを図ることでできるということです。
機械部品の形状設計では、当事例のように角Ｒの変更を行うだけで大幅に加工時間を短縮できるケースがあります。ポイントは、角Ｒ形状を大きくすることで、大径の工具を使用し、長い刃先である程度の深さの加工も短時間で行うことができることです。設計者は、上記のような加工現場の事情を知っておくことで、簡単にＶＡ・ＶＥ設計を行うことができます。
